第22章 大統領には押させない!【トド松】
「静かになりましたね……」
トド松補佐官がぽつりと言う。
「そうですね……」
私も答える。
瞬間――。
私たちはお互い同時に抱きついた。
「はぁっ! 愛菜ちゃん! もうずっと抱き締めたかったよー!」
「トッティー♡ 私もー!」
すぐに熱いキスが始まる。
「んっ……愛菜ちゃんっ、すごく可愛いよ……」
「トッティもカッコいいよぉ……ん……」
甘い唇は何度重ねても飽きない。さっきまで我慢していた分、余計燃え上がる。
「愛菜ちゃん、もうここでしちゃう?」
「え〜だめだよぉ、トッティ。大統領執務室だよ? 盗聴機が付いてたらどうするの?」
「そんなもの付いてないよ」
トド松補佐官が私の太腿をそうっと撫でる。
「やん……トッティのえっち……♡」
その時、ドアが勢い良く開いた。
「はぁ〜逃げてきたダス! ん……? どうしたダスか?」
中に入ってきたデカパン大統領が私たちを交互に見る。
「いえ、何でもない! 何でもないですよ、大統領! あっ、机に汚れが!」
咄嗟に机に手を付いたトド松補佐官がスーツの袖で汚れを拭く。
「私も何でもないです。ちょっと最近体がなまっていて……」
不自然に体をよじった私は、そのままストレッチを始めた。
「ふーん、そうダスか。何でもないならいいんダス。てっきり二人でこっそりえっちしようとしてたのかと思っただけダス」
「「っ!!」」
私たちは固まった。