第21章 恋をすればお砂糖なんて【一松】
夫はズチュズチュと責め始める。シンクに身体が押し付けられ、掴んだへりが汗で滑る。私は声を上げながら、必死に何度も掴まり直した。
「あっ……あぁんっ……んっ……一松さんっ……」
「こんなところで後ろから旦那にチンコ挿れられて喘ぐなんて、あんた、とんだ淫乱女だよ……」
一松さんが息を切らしながら楽しそうに笑う。
「んぅ……だめ……ですか……?」
「ん?」
私は声を絞り出した。
「淫乱な女は……嫌い……ですか……?」
「っ!」
一松さんが息を呑み、さらに激しく突く。
「あぁああんっ!」
身体の最奥を広げられ、快感を送り込まれる。後ろで纏めていたはずの髪がいつの間にか肩に落ち、汗が伝った。
苦しそうな一松さんの声。
「嫌いなわけないでしょ……男なら大好物。嫁がエロいなんて、泣いて喜ぶレベルですけど。でも、あんたは違う……無理して合わせようとしてんだろ……? 結婚してから、夜も数回しかしてないくせにさ……」
え……? そんな風に思われていたの? 違うのに……。
私は前後に身体を揺らしながら叫んだ。
「それは……一松さんがっ……誘ってくれないから……!」
「はぁ? じゃあ、誘ったらしてくれんの? 毎日でも?」
「は、はい……喜んで……」
一松さんが動きを止める。
あれ? どうしたの? 私、また余計なこと言った?
そっと振り返ると、一松さんは真剣な顔で私を見つめていた。
「ねぇ……今の本当……? おれが誘ってなかったからなの……?」
「はい……」
気圧されながらも答えると、一松さんは溜息をついた。
「おれ、てっきり愛菜は嫌がってるんだと思ってた……」