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《おそ松さん》クズでニートな君が好き(R18)

第21章 恋をすればお砂糖なんて【一松】


「これ……」
一松さんが食事を終えて、食器を持ってくる。


「あ! 別にそのままでいいんですよ!? 私が片付けるので」


「うん……」
一松さんは食器を置くと、私の後ろに立った。そこから動かない。


「一松さん?」
気になって振り返ると、一松さんは「なに?」と返す。


「何か用でしたか?」


「別に……洗い物続けて……」


「え、でも……」


「立ってたらだめなの……?」


「いいですけど……」
私は洗い物を再開する。一松さんは動かない。


一松さん、もしかして、私の家事をチェックしてる? 何か不満なんだろうか? 思い返してみれば、よくキッチンで私の後ろに立っていたりウロウロしていたりする。いつも不機嫌そうだし……。


私は水を止め、食器とスポンジを置いた。やっぱりいつまでも一人で悩んでいるわけにはいかない。夫婦なんだし、話し合わないと。


「あの!」
思い切って振り返る。


一松さんがぎょっとして後退った。 
「なに……?」


「何かあるなら遠慮せず言ってください! 私、できるだけ直しますから!」


「は?」
一松さんが驚いたように口を開ける。


「言いたいことがあるんでしょう? 私もまだ新米主婦で至らないことが多いと思いますけど、頑張りますから!」


「…………」
一松さんは答えない。何を考えているのか表情からもよく分からない。


「な、なんで黙ってるんですか? もしかして、離婚したいとか……? 確かに私といても全然楽しくないかもしれないけど、いくらなんでもこんなに早く別れるなんて言わなくても! まだお互いのこと、そんなに知らないし! もっと長い目で見て欲しいと言うか……。わ……別れたくないです……」


喋っているうちに興奮して涙が出てくる。私ってそんなにだめなんだろうか。返事できないほどに? 離婚なんてしたくない……。


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