第4章 夢松事変【カラ松】
ええっ! これ取られたら顔がバレちゃうよ!
「だめ!」
私はカラ松から飛び退くと、慌ててサングラスを押さえた。
「感じている顔をよく見たい…………じゃなかった、大事なサングラスなんだ。返してもらうぞ」
カラ松は手を伸ばし、あっさり私からサングラスを取り上げてしまった。
どうしよう。顔が丸見えになっちゃった……。
カラ松が私の顔を覗き込む。
「どうしたんだ? 顔が赤いし、目も潤んでいるな」
「う……」
「可愛いな、その顔だけでイッてしまいそうだ……」
「え?」
「っ! 何でもないっ! 下! そう! 下のデニムも早く返してくれっ!」
私の言葉を遮ってカラ松が焦ったように大声を出した。
ええっ! 下!? さすがにそれはヤバイよ。何とか断らないとっ!
「えっと、下は後で返すから……」
「それは困るな。今すぐ返してくれ。んん〜? どうした? お前は一松なんだろ?」
カラ松がぐいっと迫ってくる。
「うう……」
逃げ場がない……。
「なんだ? 体調でも悪いのか? オレが脱がせてやろうか?」
カラ松が手を伸ばしてきた。