第4章 夢松事変【カラ松】
近いよ……。カラ松の顔が今にも胸に触れてしまいそう。ドキドキする。
カラ松はじっくりと私の胸元を観察すると、顔を上げて首を捻った。
「おかしいな。やはり胸が出ているようだが?」
「そ、そんなわけ……!」
「ならば、確認してみよう」
確認!? 何を言っているの?
考える間もなく、カラ松はいきなり私の胸を鷲掴みにした。
「きゃあっ!?」
「よく確かめないとな」
フッと笑って、両手で胸を揉み始める。
「ちょ、ちょっと! や、やだっ……ぁ……」
力強く揉まれ、声を上げてしまいそうになるのを必死に我慢する。
「くっ! これはヤバイな……」
カラ松が小さく呟いた。
「な、何が、やっ、ヤバイの? …………あんっ!」
思わず漏れてしまった私の声。カラ松が驚いて手を止める。
「今の声は……もしかして……感じたのか……?」
「ちっ、違うっ!」
「AVじゃなくても、本当にそんな声が出るんだな……。まさしく女体の神秘……オレの知らない世界……センキュービューティフルワールド……」
カラ松が遠い場所を見つめながら感慨深げに言う。
「ちょっと、カラ松、何を言って……」
カラ松は私の声を無視して大袈裟に溜息をついた。
「はあ……。しかし、まだよく分からないな。もっと近くで確認しないと」
「え? も、もう充分でしょ……」
嫌な予感……。私は後退った。