第18章 バスルームのひみつごと【十四松】
《愛菜side》
湯船にお湯を張り直し、再び入浴剤を入れる。シャワーを流して、一面泡の海になると、私たちは一緒に浸かった。
「あはー! あったかくて気持ちいいー」
十四松くんがうっとりと泡に沈む。
私は十四松くんの膝の上に座った。
「ねぇ、十四松くん。さっき、ここで見たことは、その……」
「うん、大丈夫! 誰にも言わないから! 秘密にする!」
「本当に?」
十四松くん、悪気はなくても喋っちゃったりするからなぁ。
「だって、愛菜ちゃんだって、ぼくがしてるのを見たでしょ? 兄さんたちに言わないでね。愛菜ちゃんの下着でオナニーしたなんてバレたら、袋叩きに遭いそうだから。セクロスもだけど」
「うん、じゃあ、二人だけの秘密」
私たちは、顔を見合わせ笑う。大好きな十四松くんとこっそり共有する泡の中での秘密ごと。
「あはー、それにしてもデカパン博士は凄いよねー! こんなことになるなんて!」
十四松くんが無邪気に泡を潰す。
「え?」
「昨日、博士に頼まれて入浴剤のモニターをやったんだー! 願い事が叶うって言われて」
「っ!?」
入浴剤のモニターって、もしかして……。
十四松くんは、泡をふうっと吹いた。
「それで、愛菜ちゃんとセクロスできますようにって願ったんだ。本当に叶っちゃった」
私はぽかんと十四松くんを見つめた。
じゃあ、今日十四松くんに会えたのは、私がお願いしたからじゃなくて、十四松くんがお願いしたから? それとも両方?