第18章 バスルームのひみつごと【十四松】
《愛菜side》
「あの……十四松くん……?」
私は戸惑いながら、目の前の十四松くんを見た。
「あっは! なに?」
ニコニコと笑う十四松くん。
「一緒に洗おうとは言ったけど、こういう意味じゃなくて……」
「えー! じゃあ、どういう意味!?」
私は恥ずかしさのあまり、目を逸らした。浴室の洗い場で、シャワーを流しながら、立って向かい合う二人。十四松くんは泡を立てて、私の体を洗っている。
「洗い合いっこしようって意味じゃないのに……あ!」
十四松くんが両手で私の胸に泡を塗りつける。
「えー! こういう意味だと思った! 愛菜ちゃん、おっぱい大きくなったねー! こんなに膨らんで……」
十四松くんが嬉しそうに胸を撫で回す。泡にまみれた膨らみは、彼の手の動きに合わせて、たゆたゆと揺れた。
「そりゃもう大人だもん……。十四松くんだって、昔とは全然違うよ……」
「えっ、タッティのこと?」
「そうじゃなくて!」
泡にお願いしたせいなのかな。ついさっきまで、あんなに会いたい会いたいと思っていた十四松くんが目の前にいる。しかも、私の体を洗っているなんて、信じられない。
もちろん、一人でしているところを見られてしまった時は、もう世界が終わったと思うぐらいにショックだった。恥ずかしくてお風呂から出ることもできず、ずっと泡の中にいた。