第18章 バスルームのひみつごと【十四松】
《十四松side》
扉を開けた瞬間、まず目に入ったのは、バスタブの縁に腰掛ける裸の愛菜ちゃん。大きなおっぱいに丸見えのVライン、思わずぼくは固まる。彼女は驚いたように目を見開いてぼくを見た。
すぐに愛菜ちゃんの手元に目がいく。ぴったりと合わせた太腿の間に手をやり、だめっと叫びながら、顔を苦しそうに歪め、身体を痙攣させた。
え? 何? 何、今の?
すっげーエロかったんだけど。
下半身が熱くなってくる。
静かな浴室に響くモーター音。慌てたように手に持っている何かのスイッチを切ると、愛菜ちゃんは勢いよく湯船に入った。
「十四松くんのばかっ! 出てって!」
愛菜ちゃんが真っ赤な顔で叫ぶ。
「あー……えーっと……ごめん……ぼく……」
「早く!」
ぼくは慌てて扉を閉めた。そのまま脱衣所で座り込む。
えーっと、えーっと、整理しよう。
母さんが、愛菜ちゃんにお裾分けを持って行けって言った。引き受けたぼくは、愛菜ちゃんの家に来た。インターホンには誰も出なかったけど、鍵は開いていた。上がり込んで、お裾分けを置いて帰ろうとすると、バスルームの方から名前を呼ばれた。反射的に扉を開けてしまった。
ぼくはパーカーの袖を口に押し当て、猫目になって考えた。
一人で……してたよね……。
さすがにぼくでも分かる、さすがに。