第17章 片道タクシー【カラ松】
男が汗を流しながら笑う。
「本当だ、オレは誰よりもお前を愛している……。安心するんだ。オレたちを邪魔するやつがいても守ってやるからな……」
もう何も考えられない。考えたくない。乱暴に与え続けられる快感に抗うことができない。
怖い。逃げたい。戻りたい。
恐怖でおかしくなりそうなのに、震えるほどに身体は感じ、男を求めている。
「もう……ゆるし……て……」
涙が頬を伝うのが分かる。目の前の男の顔がぼやける。
「フッ、本当にやめていいのか……? すごく気持ち良さそうな顔をしているぞ?」
「……っ」
認めたくない。こんな知らない男に……。
男は力強く突きながら、手足を繋いでいたタオルを解く。私の耳元に口を寄せ、優しく囁いた。
「ほら、解いてやったぞ。ハニーの好きなようにしていいんだぞ?」
「好きな……ように……?」
ようやく自由になった手足を伸ばす。今、力いっぱい相手を押せば……全力で暴れれば、もしかしたら……。
頭ではそんなことを考えていたのに、気付くと私は男の首に腕を回し、引き寄せていた。
途端に男の顔が真っ赤に染まる。
「ハニー……? どうしたんだ、急に……?」
私は男にしがみつくと、自ら腰をぎこちなく動かした。甘い刺激がさらに下半身に広がる。
「くっ……!」
男は一瞬息を呑んだが、すぐにまた激しく律動を刻み始めた。