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《おそ松さん》クズでニートな君が好き(R18)

第17章 片道タクシー【カラ松】


「ひぃ……いや……いや……いや……」


背中で後退し、なんとか避ける。ドアに頭を当て、上半身を起こした。


瞬間、両足首を掴まれ、勢いよく引っ張られる。
鈍い音とともに体は再び仰向けに倒れ、ドアとシートの間に後頭部を強くぶつけた。


「っ……」
痛みに呻くと、男は冷え切った瞳で私を見下ろす。


「誰が起きていいといった? なあ? 誰がいった? おい、誰がいったと聞いているんだ」


首を掴まれ、勢いよく上下に振られた。


「やめ……て……」


男は手を止める。
「オレは素直じゃないハニーは嫌いなんだ。なぜオレのいう通りにできない? せっかくこのカラ松が口で愛してやろうとしたのに。一体、どうしたんだ? あの男の影響か? ハニーはそんな女じゃないだろう? なあ、そうだろう? 今のはたまたまだよな? オレを愛してるよな?」


私はぼんやりと目を開けた。


なんでそんな勝手なこと言うの……?


沸々と怒りが沸いてくる。
今の今まで恐怖で麻痺していたけど、よく考えたら、なんで私がこんな理不尽な目に遭わなくてはいけないの? 


私は男を睨みつけた。
「離して! 今まで話したこともないのに愛してるはずないでしょ……!? 『そんな女じゃない』って、勝手に理想を押しつけて来ないでよ! 私のこと何も知らないくせに!」


男が目を見開いて、手を離す。


「ハニー? 何をいってるんだ? 男に向かってそんな口を聞いたらだめだろう? オレはお前の彼氏なんだぞ?」


「うるさいっ! 男とか女とか別に関係ないでしょ!? 私、そういう古い考え方じゃないし!」


よほど驚いたのか、男はポカンと口を開けた。


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