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《おそ松さん》クズでニートな君が好き(R18)

第17章 片道タクシー【カラ松】


「今、『犯人が捕まるといいですね』っていいましたよね?」


「いいましたけど、それが何か……?」


おかしい。絶対におかしい。


「『事故に遭った』とは話しましたけど、『轢き逃げに遭った』なんて話していないのに。なんで犯人がいるってわかったんですか……?」
 

瞬間、急ブレーキがかけられ、車が止まった。
車内は静けさに包まれる。


運転手は大きなため息をついた。
「お客さん、その連絡は本当に病院から来たんですか?」


「え? だって、病院だと名乗って……」


「赤塚記念病院は今はもうやってませんよ? 廃墟になっているはずです」


「っ!?」
私は息を呑んだ。


どういうこと? じゃあ、なんで病院から連絡が?


運転手は静かに続けた。
「なんで轢き逃げかわかったか? そりゃ、わかりますよ。だって、その電話……


私 が 差 し あ げ た


んですから」



は?


何? 何を言ってるの?


自然と手足が震えてくる。


「え……彼は? 事故は? 嘘なの?」


運転手はシートベルトを外した。
「ええ、嘘です。正確には、『電話を差しあげた時点では』……ですが」


「は……?」


「でも、嘘はいけませんからね。ちゃんと真実になるようにしましたよ? ほら、さっき音がしたでしょう?」


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