第16章 俺はキミを覗きたい【おそ松】
愛菜ちゃんが一枚一枚服を脱いでいく姿が瞼に浮かぶ。
服を脱ぐ時、まず右腕を外して、それから一気に頭から脱ぐんだよな。んで、次はスカート。ホック外してストンと落として、それからまた上を脱いで。
ストッキングは慎重に下ろす。ブラは前屈みになりながら後ろに手を回して外す。そうすると、ぷるんとおっぱいが飛び出て、隠しもせずに今度は下を……。
俺は慌てて目を開けた。
何だこれ! 目を瞑ったら余計思い出しちゃうじゃん!
「おそ松さん……?」
頭を振って煩悩から逃れようとする俺に、彼女が不思議そうに声をかける。
「ええっとさ、愛菜ちゃん、その下着だけじゃ寒いだろ? 大丈夫?」
笑顔で取り繕いながら、訊いてみる。
「はい、大丈夫です……」
いや、俺が大丈夫じゃないんだけど。
「で、でも、ほら、俺の前でそんな格好だと危ないしさ〜。俺、すっげぇ、えっちだよ?」
「私、おそ松さんのこと信用してるから……」
お、おお……そう来たか。俺は自分が信用できないんだけど。ってか、ずりぃよ。これ言われちゃったら、絶対に手を出すわけにはいかないじゃん。
「いや、えーっと、何ていうか」
喋りながら、つい視線を落としてしまった。
俺に抱きついてこっちを見上げる愛菜ちゃんと目が合う。ぴったりと押し付けられた胸、谷間、その下の太腿、そして可愛いショーツ。
「あ……!」
瞬間、ムラッと激しい衝動。俺は瞬時に手を離して、体を引いた。もたれていた壁に背中ごと思い切りぶつかる。
「おそ松さん……どうしたんですか?」
愛菜ちゃんが目を丸くする。
あっぶね〜! 今、マジでグラッと来た。いや、ホント、あぶねぇ。手が出るとこだった。