第16章 俺はキミを覗きたい【おそ松】
《おそ松side》
4R。15>2>4、三連単。
単勝15。枠連3―7。
賭けたのはメジロマツクイーン。
えーっと、それから、マツダブライアン、ジェネラルマツノ。
5R。9>4>3の三連単。単勝9、馬の名前は……。
くそ、思い出せぇな。いつもなら、すっと出てくるのに。
俺は白い天井を眺めながら、昼間の競馬の結果を反芻していた。
愛菜ちゃんの背中をあやすようにポンポンと叩きながら。
下を向いて、愛菜ちゃんを見てしまったらダメな気がするんだ。わざと壁や天井を眺め、どうでもいいことを考える。それでも、愛菜ちゃんの温かくて柔らかい体は、俺の意識に遠慮なく入り込んできた。
さっきのおっさん、挿れてはなかったよな? 俺、ちゃんと間に合ったよな? いや、もしかしたら、先っぽだけ入ってたか? どっちだ?
そういや下着下ろされてたよな。おっさん、見たんだろうな。そりゃ、そうか。見ないと挿れられないしな。いや、見たのかよ! ムカつくな〜。パイは? 揉んだのか? くっそ〜、俺でさえ、遠くから見てるだけだったんぞ。
気が付くと、つい愛菜ちゃんの裸を考えてしまっている。熱を持った下半身が行き場のない欲を持て余す。
クソな俺でも、さすがにここで襲えるほど人間捨ててはねぇもんなぁ……。
愛菜ちゃんは、ますます強くパーカーに顔を埋め、下着姿のまま、体を密着させてくる。
あー、煙草吸いたい……。
俺は大きく息を吐くと、目を瞑った。