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《おそ松さん》クズでニートな君が好き(R18)

第15章 狼なんかこわくない【トド松/学生松】


***


「セ・ン・セッ」


甘えたような口調で声をかけられ、私は顔を上げた。


今日もまた同じ教室、同じ風景。机の周りに山積みにされたテスト用紙。


「なーに? 授業は5時からだけど? というか、テストの採点しているから、まだ教室には入って来て欲しくないんだけどなぁ」


私の言葉に目の前の生徒は鈴を転がすように笑う。


「やだなぁ、先生。本当は会えて嬉しいくせに」


私は目を細めて、制服姿の彼を眺めた。


松野トド松、高校3年生。あと、3ヶ月経てば、卒業して『生徒』ではなくなる男。


「うん、嬉しいよ。ただし、ここは勉強する場所なんだから、速やかに隣の自習室へ行」


キスで口を塞がれる。間髪入れずに甘い舌が口内をねっとりと犯していく。


「んっ……んんっ……ぅん……」


私たち以外誰もいない教室に、口づけし合う音が響いた。


「ふふっ。して欲しかったんでしょ?」


唇を離して、また余裕のある顔であざとく笑うトド松くん。


ああ、悔しい。あっという間に熱が顔に集まる。


「……して欲しかった……けど……」


「けど?」


「もっとしたくなっちゃうから、だめ……」


トド松くんが笑い出す。
「はいはい。もう、しょうがないなぁ。じゃあ、今夜も愛菜ちゃんの家で待ってるから」


私は頷いた。
「うん、できるだけ早くあがるから待ってて……」


トド松くんは満足そうに頷くと、床に置いた鞄を拾う。


「さーてと! じゃあ、自習室に行ってこようかなっ」


「あれ? やっとやる気になったの?」


「やる気はないけど、明日追試があるから」
口から飛び出す爆弾発言。


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