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《おそ松さん》クズでニートな君が好き(R18)

第15章 狼なんかこわくない【トド松/学生松】


「でも、『今日は友達の家に泊まる』っておそ松兄さんから母さんに伝えてもらったから。母さんたちはもう寝てるし、鍵も掛かっているから家には入れないよ」


「お兄さんたちに連絡して鍵を開けてもらえば?」


「兄さんたちは携帯持っていない。でも、家電に掛けたり、家の前で大声出したら、母さんたちを起こしちゃうし」


もしかして、ここまで全部計算済みなんだろうか。可愛い顔して、あざといと言うか、ずる賢いと言うか……。


私は溜息をついてこめかみを押さえた。


「ねぇ、先生。そんなにボクを泊めるの嫌なの?」


「嫌とかそういう問題じゃなくて……」


「じゃあ、もしかして、ボクに襲われるのが怖い?」


「え?」


顔を上げると、こちらを見つめているトド松くんと目が合う。ああ、またこの顔だ。意味ありげに含み笑いをして、まるで私を手のひらの上で転がしているような余裕の表情。


「家に入れた途端、ボクに襲われちゃうって思ってるんでしょ? やだなぁ、先生。それ、自意識過剰」


「は!? 別に思ってません!」


「またまた〜。思ってくるくせに。さすがにボク、そんなことしないよ。でも、嬉しいなあ。そんな心配してくれるなんて、やっぱりボクのことを男として見てくれてるんだ」


「見てないよ。生徒なんだから」


「本当に? じゃあ、泊められるでしょ? ボクのこと、ただの生徒で、まだ高校生の子供だと思ってるなら怖くなんかないよね?」


「…………」


「それにさ〜、この寒い中、家に入れずに放り出すなんて、大人としてどうなの? って思うんだけど」


だめだ。彼に口では敵わない。泊めてクビになるのも嫌だけど、泊めずに何か起こったら、もはやシャレでは済まなくなる。


私は諦めてシートベルトを締め、エンジンをかけた。


「いい? 家に着いたら、お風呂に入って速やかに寝ること」


「はーいっ!」


トド松くんが元気よく返事をする。車は駐車場を飛び出した。


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