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《おそ松さん》クズでニートな君が好き(R18)

第15章 狼なんかこわくない【トド松/学生松】


「せーんせっ!」


瞬間、後ろから肩を叩かれた。驚いて振り返る。


「え? トド松くん!? まだ帰ってなかったの!?」


背を丸め、震えながら立っていた男の子は照れ臭そうに笑った。


「うん、なんか帰る気になれなくて……。もっと愛菜ちゃん……あ、じゃなくて、先生と話したくて……」


よく見ると顔は白く、唇も紫色になっている。


私は慌ててトド松くんの手に触れた。


「冷たっ! もしかして、ずっとここで待ってたの!? トド松くんが教室を出たのって8時前だったよね?」


「うん。ボクが帰った時間、ちゃんと覚えててくれたんだね! 先生ってば、そんなにボクのことが好きなの?」


「何、バカなこと言ってるの! それぐらい把握してるよ。寒かったでしょ!?」


トド松くんは赤くなった鼻に手をやり、頬を緩ませた。


「えへ、寒かったあ! もう来ないかと思った」


こんな暗くて冷たい中でずっと待ってたの?


もっと早く教室を出るべきだったと後悔する。


「もう! なんで教室の中で待ってなかったの? 風邪ひいちゃうよ!?」


トド松くんは、ふふっと笑う。
「だって、教室の中にいたら、帰れって追い出すでしょ?」


まあ、確かにそうだけど……。


「でも、こんなところにいたらだめだよ。おうちの方が心配するでしょ?」


「大丈夫。おそ松兄さんに言ってあるし」


「そういう問題じゃないの! 何かあったら困るんだから! それに補導されてもおかしくない時間なんだからね?」


私は鍵を開け、トド松くんを助手席に押し込んだ。暖房をつけ、後ろのシートから膝掛けを取り、トド松くんの足を包む。



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