第12章 超洗剤クリスマス【チョロ松ルート】
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「はぁ〜、お腹いっぱい!」
私はベッドに倒れ込む。
ホテルのディナーは最高だった。サービスは行き届いていたし、前菜を始め、メインのステーキとフォアグラも、デザートのクリスマスケーキも文句なしの味だった。
部屋に入れば、中は既に暖房で暖められ、ふかふかのベッドが用意されている。テーブルにはリボン付きのシャンパンとグラス。洒落たつまみまで添えてある。至れり尽くせりだ。
「愛菜ちゃん。お風呂入る?」
チョロ松くんがコートをかけながら私を見た。
「うん。とりあえずシャワー浴びようかな」
幸せに浸りながら、ベッドに顔を擦り付ける。
「ねぇ、愛菜ちゃん、お願いがあるんだけど……」
「ん、なーに?」
チョロ松くんが鞄を弄り、何やら白い包みを出した。
「これ着てくれないかな? お願い!」
「ん……? 下着か何か?」
私は起き上がると、深く考えずに包みを受け取る。
「うん、お風呂は先に入ってくれていいよ。待ってるから」
ニコニコしながらベッドに足を揃えてちょこんと座るチョロ松くん。成人男性のくせにこういう仕草が可愛らしい。
「はーい。行ってくるね」
私はバスルームに向かった。
……10分後、シャワーを浴び終えた私は、自分の格好を見回した。
「チョロ松くん、これって……」
肩が出て大きく開いた胸元、手首の白いファー、今にも下着が見えてしまいそうな短いスカート、ブーツのようなデザインのニーソ、そして帽子。
どれも色は赤と白。
チョロ松くんが鼻の下を伸ばして叫ぶ。
「はぁーーん! 僕だけのミニスカサンタ、最高ーーーー!!」