第12章 超洗剤クリスマス【チョロ松ルート】
「キキキキキスしまくる!? そそそそんなこと、この私に……」
チョロ松くんが途端に真っ赤になる。
そうだった。F6のチョロ松くんは実は女性慣れしてないんだった。はぁーん! そのギャップが、また女心をダイレクトにくすぐるぅー!
……って、そんなこと言っている場合じゃない。イルミネーションが終わっちゃう前に何とかチョロ松くんを元に戻さなきゃ!
私は薬を1滴飲む。
すぐにチョロ松くんの横に座り直し、彼の唇に自分の唇を重ねた――。
・・・・
「はぁっ……はぁっ……はぁっ……」
耳が熱い。舌が痺れる。漏れる吐息。
私たちはお互い息を切らしながら唇を離した。
これで何回目のキスだろう。
ワイルド系イケメンの姿になったチョロ松くんが、トロンとした瞳で私を見つめてくる。口はだらしなく開き、頬は赤く染まっていた。
「愛菜ちゃんっ! そ、そんなに何回も連続でキスされたら、僕……もう……」
チョロ松くんが熱に浮かされた表情で私の肩を掴む。今にも押し倒してきそうな勢いだ。
対する私も同じ気持ちだった。薬を1滴飲んではキスをする、の繰り返し。キス自体はとても軽いものだったけど、何回も何回もチョロ松くんの唇に触れていたら、だんだんと……何て言うか……気持ちよくなってきて……。
もっと……深く甘くキスしたくなってきちゃうというか……。
「ハッ、ダメダメ! しっかりしなきゃ!」
私は首を振った。