第12章 超洗剤クリスマス【チョロ松ルート】
「なんダス?」
「僕のコレを治して下さい!」
デカパン博士は不思議そうにチョロ松くんを眺めた。
「コレとは何のことダスか?」
「だから、僕、いつもと違うでしょ!? 早く元の姿に戻して欲しいんです!」
「元の姿? いつものチョロ松くんと変わらないダスよ? 愛菜ちゃん、彼は一体何を言ってるダス?」
デカパン博士が困ったように私を見る。
「えっと、チョロ松くんは博士の作られた洗剤を飲んで内臓丸出しの透明になっちゃったそうです。今は体にペイントをしているから、分からないと思いますけど……」
私が説明すると、デカパン博士は合点がいったかのように手を打った。
「キミ、あの洗剤を飲んだダスか!? よくあんなまずいもの飲めたダスね。今すぐには治せないダス。代わりにいいものをあげるダスよ。えーっと、確かここに……」
デカパン博士はパンツの中を弄る。
「……あった! これダス!」
「「くっさー!」」
パンツから出てきた小瓶の臭さに、私とチョロ松くんは同時に鼻をつまんだ。
「これは『理想の恋人薬』ダス。愛菜ちゃんが1滴飲んで、恋人の理想の姿を想像しながらチョロ松くんにキスをすれば、その通りになるんダス。だから、チョロ松くんの元の姿を想像しながらキスすれば、身体も戻るはずダス」
私はお礼を言って小瓶を受け取った。
理想の姿、か……。ちゃんとチョロ松くんの元の姿を想像できるかな……。
「ホエホエ〜では頑張ってダス。わしらはもう行くダス」
「ダヨーン!」
博士とダヨーンさんは、なぜかデカパン研究所とは反対の風俗街のある方へと消えて行った。