第11章 超洗剤クリスマス【分岐あり・チョロ松&逆ハー】
「それはだめ! 完全に透明になりきれてないから! 内臓見えちゃってるから!」
「な、内臓……? 何それ、こわい……」
私は顔を顰めた。
「でしょ!? だから、見せられないよ! せっかくのクリスマスに内臓丸出しのグロホラーな絵ヅラになっちゃうからね!」
さすがに内臓丸出しは見たくないなぁ。
私は大人しく引き下がった。
「そっかあ……でも、チョロ松くんならペイントでも何でもいいよ! じゃあ、約束してたイルミネーション見に行こっか? 楽しみにしてたんだ!」
私が再び腕にしがみつくと、チョロ松くんは恥ずかしそうに笑った。
「うん、行こっか……。あ、あのさ、愛菜ちゃん?」
「うん?」
「明日も仕事休みって言っていたよね? 今夜は……その……何というか……」
「うん。今日は遅くなっても大丈夫だよ。なんなら、一晩中でも一緒にいられるし」
「ひひひひひ一晩中ッ!? や、やった! 愛菜ちゃんとお泊まりっ! おおお落ち着け、チョロ松! 恐れるものは何もないっ! 我がクリスマスは完璧だっ!」
チョロ松くんが拳を握りしめて甲高く叫ぶ。
やっぱり、チョロ松くんは可愛い。
「ふふっ! とりあえず、公園に行こっか?」
私とシコ……あ、チョロ松くんは、赤塚公園のイルミネーションを見るために歩き出した。