第10章 お持ち帰りの長い夜【一松】
「そっ、そんなこと言って、おれが本気になったらどうすんの? キモいクソ童貞なんかとヤッちゃったら、一生付きまとわれて、離してもらえないかもよ? めんどくさいだろ……? や、やめとくなら今のうちなんだけどっ……」
私は一松くんの顔をじっと見た。
でも、もう止まらないんでしょう?
分かってるよ、一松くん。
『やめないで』って、君の顔が言ってる。
私は優しく笑いかけた。
「やめない。離してくれなくていいよ? 私も一松くんから離れないもん。だから、いっぱい付きまとって?」
「っ!」
私から? 一松くんから? それとも同時に?
気づくと、私たちは唇を重ねていた。
一松くんが夢中で私の唇を啄む。
「んっ……んんっ……ぅん……ぅ……んっ……」
少し冷えた唇にじんわりと彼の体温が伝わってきた。
「はぁっ……柔らかくてっ……き、気持ちいいっ……」
唇を離した一松くんが呟き、すぐにまたキスを再開する。
うん、私もすごく気持ちいい……。
重ねた唇をヌルヌルと滑らせ合うと、とろけるような快感が走った。
手を繋いで、足を絡めて、ベッドの上を転がりながら、互いの唇を無我夢中で求める。
上になって、一松くんにキスを繰り返せば、すぐに組み伏せられて、倍の量のキスが降ってきた。
胸と胸がぴったりとくっつき、心臓の音が混じり合う。絡み合った足をぐっと引けば、熱を持った互いの性器が重なり合う。
一松くんのあそこ、すごく熱くて固い……。
下半身に当たる欲が今にも私を突き破りそう。