第10章 お持ち帰りの長い夜【一松】
「っ……!」
露わになった形のよい柔らかそうなおっぱい。てっぺんについた美味しそうな桃色の蕾。
き、きれい……。
たぶん今のおれは相当マヌケなツラをしてるんだろう。
バカみたいに口を開けて、フワフワの胸を凝視し続ける。
「あの、一松くん……?」
全く動かないおれに不安になったのか、愛菜ちゃんが困ったような声を出した。
そりゃ、そうだ。頼まれて乳を見せたのに相手はなんの反応もせず、ただ黙ってるんだから、不安にもなるだろう。
何か気の利いたこと言わなきゃ。でも、何を……?
おれは震えながら口を開いた。
「も……」
「も?」
愛菜ちゃんが心配そうに繰り返す。
「もう片方のおっぱいも見せて……」
おれは何を言ってるんだぁああ! これじゃ、ほんとにただのド変態になってしまう! 今度こそ終わったぁああ!
しかし、返ってきたのは意外な返事だった。
「うん……わかった……」
愛菜ちゃんは恥ずかしそうにしながらも、自分でバスローブの胸元を掴み、もう片側も引き下げた。
はらりと肩から落ち、上半身裸になる。
嘘だろ……。目の前で女子が半裸になっている……。しかも、おれに乳を見せるために……。
何このエロすぎるシチュエーション。
股間が切なく熱を持つ。頭の中がグラグラと揺れた。
おお、女神よ……! この汚れた雄豚の目ん玉を今すぐお潰しください……ってか、もう、殺してーっ……!
頭の中では叫びつつも、おれは静かに彼女の胸を見つめ続ける。
「あ、あの……一松くん……」
微動だにしないおれに痺れを切らしたのか、愛菜ちゃんがまた名前を呼んだ。