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《おそ松さん》クズでニートな君が好き(R18)

第10章 お持ち帰りの長い夜【一松】


おれは黙ってひざまずいた。

おお、女神よ。あなた様のおかげで、卑しい雄豚のわたくしめは、帰るのをとりあえず回避できました。その代わりといってはなんですが、どうぞ蔑み、罵り、罰をお与えください。

床に何度も頭を打ちつける。

「ちょっ!? 一松くん!? 急に何してるの!? やめて!」
愛菜ちゃんが驚いて止めようとする。

「おれを殴ってくれていいよ……。あ、素手が汚れるのが嫌だったら、そこの灰皿でも使って……陶器だから確実に殺れると思う……」

「何言ってるの!? と、とにかく、順番にお風呂に入ろう?」

焦ったようにバスルームを指差す彼女。

「じゃあ、先に入ってくれば? ゴミみたいなおれの使ったあとに入りたくないでしょ……」
おれは立ち上がった。

「え? 別に気にしないけど」

「いいから」

強めに言うと、愛菜ちゃんはうなずいてバスルームに行きかけたが、ふと足を止めた。

「ん……どうしたの……?」

声をかけると、小走りで戻ってきて、おれの顔を下から覗き込む。

「ねぇ、一松くん。私が入っているあいだに、先に帰っちゃったりしないでね?」

「っ!?」

おれは心臓を撃ち抜かれた。

何その甘えたような上目遣い。

可愛い……抱きたい……。

「あ、あ、うん……。帰らない。帰らないから……」

どもりながらも返事をすると、愛菜ちゃんはにっこり笑ってバスルームに入っていった。


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