第9章 かんじて♡サマー仮面【カラ松】
さてと、一体、どこへ行けばいいんだ? もうありとあらゆる場所を試したぞ? どこへ行っても執念深いブラザーたちに見つかってしまう。
そうだ。海はやめて、今から愛を育む恋人たちの城、ラブホに行けばいいんじゃないか?
それか愛菜ちゃんの家まで帰るか……。さすがに愛菜ちゃんの家の中に入って鍵を掛けてしまえば、ブラザーたちも入ってこれないだろう。
ここまで考えてオレはハッとした。
そういえば、今朝、どうにもムラムラがおさまらず、下心に負けて愛菜ちゃんの家の鍵を壊したんだった……。何やってるんだ、オレ!
「そうなるとラブホ一択か……でもいきなりは嫌がられそうだしな……問題はどうやったら自然な流れで誘えるか、だが……」
オレは歩きながら考えを巡らす。
「あはー! ラブホは無理だよ! カラ松兄さん!」
その時、耳元でいきなり大声を出された。
「おわっ! じゅ、じゅうしま〜つ!?」
振り返ると、ブラザーの十四松が立っていた。驚いてオレは立ち止まったが、愛菜ちゃんは気付いていないのか足早に歩いて行ってしまう。
慌てて後を追おうとすると、十四松の後ろから現れたおそ松に腕を掴まれた。
「おいおい、カラ松ぅ。そう簡単に愛菜ちゃんとオイシイ思いできると思うなよ〜? 分かってんだろ〜?」