第8章 おねがい♡サマー仮面【カラ松】
「……って、愛菜ちゃん!? もしかして怒った!?」
サマー仮面が慌てて顔を覗き込んでくる。
私はサマー仮面に強く体を密着させた。お腹の辺りに確かに熱いものが当たっているのを感じる。
「ううん、怒ってないよ。射(ピー)していいよ」
「え?」
サマー仮面が固まる。
私は手を伸ばし、目の前の仮面をそっと外した。
「だから、このまま射(ピー)していいよって言ったの……」
顔を出したカラ松くんが耳まで真っ赤になる。
「ハニー!? な、何を言って……!?」
もうお願いは叶えてもらったから、サマー仮面の出番は終わり。仮面を外した「カラ松くん」の唇に私はそっとキスをした――
――つもりだったが、唇には何も触れなかった。
「え? あれ? カラ松くん?」
いつの間にか目の前からカラ松くんが消えている。
後ろから「うわぁあああああ!」という絶叫。
振り返ると、5人の男がカラ松くんを海に向かって乱暴に運んでいくのが見えた。
「ええっ!? おそ松くんたち!? なんでここにいるの!?」
慌てて追いかける。