第8章 おねがい♡サマー仮面【カラ松】
「お揃いが嫌というか……思い入れの強いものを持ちたくないの……だって、カラ松くんが他の人を好きになった時に……」
「ならない」
きっぱりとサマー仮面が言い切る。
「なんでそんなこと言えるの? ずっと好きでいられるかなんて分からないでしょ」
「分からないから一生誰とも付き合わないのか?」
「…………」
サマー仮面の手がそっと私の背中を撫でる。
「オレは高校の時からずっと愛菜ちゃんが好きだし、今も好きだ。保証はできないが、この先もずっと好きで居続けると『今』思っている。それではダメか?」
「……じゃあ、逆に、もし、私が将来カラ松くんを裏切ったらどうするの?」
サマー仮面は私を強く抱き締めた。
「どうもしないさ……。裏切られても別に構わない。そんな起こるかどうかも分からないことに怯えて、愛菜ちゃんと一緒に過ごせる今を台無しにしたくはないから、な」
「…………」
私はサマー仮面の腰に腕を回すと、肩に顔を埋めた。潮の香りがツンと鼻をつく。午後の太陽が背中に照りつけ、熱を誘った。
「ねぇ、カラ松くん……」
私は小さな声でサマー仮面の名前を呼んだ。
「ん? なんだ、ハニー」
「来年も私と海に来てくれる?」