戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第13章 葵の巻―光秀中将-<R18>
私は口を固く引き結んで、光秀様に返答する事は出来なかった。
すると光秀様はおやおや、という表情をし、女房達に代わりに話しかけた。
「我が妻はご機嫌がよろしくないようだ。代わりにおまえたち、俺と話してくれ」
「かしこまりましたわ!」
女房達は憧れの君と話せて嬉しい、という様子を隠さない。
貴女達がうらやましいわ、私も光る君とお話ししてみたい。
でも、どうやってお話しすれば良いのか、わからない…
まだ幼い私達の間には、男と女の睦ごとはない。
父上に気を遣ってくださるのか、光秀様はまめにお越しくださる。
その都度、私は心が浮き立つけれど、光秀様からの言葉にどう返して良いかわからない。
誰も私の心をわかってくれない。
そのうち、光秀様は、私の事をこう思うようになってしまわれた。
『入内して中宮・皇后になりたかったので、臣下の俺と結婚されたのがお嫌なのだろう』
違う!違う!
光秀様と結婚出来て嬉しいの。
もっと光秀様とお話ししたい。
光秀様と触れあいたい。