戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第13章 葵の巻―光秀中将-<R18>
こんな素敵なかたが、私の…私だけの人になるの…?
初めて光秀様に会ったのは、父上と現帝がお決めになった婚儀の日。
妖しい雰囲気を漂わせる美しい光秀様に、私は何て声を掛けて良いのかわからなかった。
光秀様から声を掛けてくださったけれど、私は何て返事をして良いのかわからなかった。
誰も、光秀様との話しかたは、教えてくれなかった。
私は左大臣の父上と前帝の姫宮だった母上のもとに産まれ、生まれながらに将来の皇后候補として育てられたから。
中宮・皇后になるなら、いつでもすまして、余計な事は話さない、帝の言う事を聞いて、黙って、愛していただくように努めなさい、と言われてきたから。
入内ではなく、現帝の二男で源の姓を賜った殿方と、結婚するとは思ってなかったから。
私は、どうしていいかわからず、戸惑うばかりだった。
「これから仲良くしよう」
妖しく美しい微笑みを浮かべ、光秀様は私を見てくれた。
なんて美しいかた。
光秀様には私はどのように見えてますか?
光秀様からしたら、私はさぞ不似合な、美しくない娘でしょうね。
父上と帝のお決めになった事だから、仕方なく、私と結婚なさったのでしょう?