戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第11章 源典侍の巻―幸村中将-<改訂>
代わりにバタバタと音と立てて、俺が隠れた屏風が畳まれる。
どういう事だ?俺が隠れたのを知っているのか?
仕方ない、逃げるかと思っていたがギラリと光る刃が見えた。
へぇ、抜刀してるのか。
さすがに、老境の男はこんなことはしないだろう?
俺は瞬時に気付き、おばばさまは柄にもなく他にも男を寄せているのかと察した。
俺はうす暗がりの中、目を凝らして見ると、なんと抜刀しているのは佐助少将だった。
刃を向ける佐助少将に、誰か気付かない源典侍は青くなって懇願していた。
「お止めくださいませ!」
『佐助少将は源典侍と関係を持っていたのか?』
途端、全ての状況を俺は理解した。
つまり佐助少将も、戯れに源典侍を相手にしていたのか。
そして俺がいつか源典侍を相手にするのを待っていたんだな。
俺に対していたずらをする機会を狙っていたのか。
俺は『わかったぞ』という思いを込めて、思い切って佐助少将の腕を掴みつねってやると、刀を持ったまま佐助少将は痛いと言いながら、軽く笑った。
「何ていたずらをするんだよ」
佐助少将に言ってやると、秘密を見付けたと言わんばかりに更に嬉しそうに笑っていた。
「何が嬉しくてそんなに笑ってんだよ。さぁ俺は直衣を着るぞ」