戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第11章 源典侍の巻―幸村中将-<改訂>
君が来ば手馴れの駒に刈り捧げん 盛り過ぎたる下葉なりとも
うわぁ、勘弁してくれ。
源典侍は自分がちょっと盛りを過ぎただけの熟女と思い込み、更に『貴方が来てくださるなら、少し古くなった草だけどちゃんと刈って貴方をもてなしますわ』と俺に言ってきた。
どうして俺がおばばさまの相手をしなきゃいけないんだ。
しかし年はとってもおんなであることは変わらない。
俺は源典侍に恥をかかせないよう、やんわりと断りと入れる。
笹分けて行けば咎めん訪う駒の 列ぞ華やぐ森の下陰
俺じゃなくても、貴女の相手をなさる殿方は大勢いらっしゃるようですから遠慮しますよ。
そう返歌し去ろうとするが、源典侍は俺の袖をがしっと掴む。
「今までこんな仕打ちをうけた事はございませんわ…」
うえぇ、若い男の袖にしっかりと縋りついて、一度の契りではなく本物の恋にしたいとは、なんとも気色悪い。
宮中での戯れの恋を本物の恋と勘違いする源典侍に、俺は優しくけれど拒絶するように話すことにする。
「貴女と一度は話してみたい、と思っていたんだけど」
すると即座に源典侍から返事がきた。
「思いながらの橋柱ですね」
限りなく思い長柄(ながら)の橋柱 思いながらに仲や絶えなん
橋柱とは恨みごとで、これは恋の終わりの決まり言葉。