戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第11章 源典侍の巻―幸村中将-<改訂>
源典侍(げんのないしのすけ)は、恋多き女房と言われている。
色ごとが好きで、そういうことは既に控えるようなおばあさまと言っていい年齢であるにも関わらず、同年代の恋人がいるそうだ。
そんな源典侍が興味を持った男とは。
光る君と呼ばれる俺、幸村中将とその友、佐助少将の二人。
「どうした?幸?」
佐助少将から、二人きりの時だけに使う親しみを込めたしゃべりかたをされた俺は、ぞわりと一瞬感じた嫌な視線の事を伝える。
「いや…さっきから、なーんか、変な視線を感じるんだよな」
「さんざん女の子を手玉にしてるから、仕返しでもされるんじゃないのか?」
俺が肩をすくめて言うと、佐助少将は笑いながら茶化してきて、俺は本気で迷惑顔を見せる。
「おい、誰が誰を手玉にとっているんだよ。俺、ほんと、女には迷惑してるんだよな」
そう言って、周りからは女に片端から文を送り手を出し、一夜限りの逢瀬をしつくしている男と思われていて迷惑していると佐助少将に話す。
「全く、誰がいつ、女に手を出しまくっているなんて、言いふらしてんだ」
「そうだな。幸に限っては、そういう事する男じゃないって俺は知ってる」
俺がふんがいして口をとがらかすと、佐助少将は苦笑して俺に同情するように言った。
「だろ?俺には馬に乗ったり、蹴鞠をしたり、弓をひいたり…そういう事のほうが女を相手にするより余程楽しいのにさ」