戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第9章 朧月夜の巻―家康中将-<R18>
舞がふと目を覚ますと、横に頬杖をつく家康中将がいた。
「家康様…」
自分の乱れ具合を思い出し、恥ずかしくなりうつむく舞。
「貴女はこれから、東宮とも、この夜のように乱れて抱かれるの?」
「そ…それは…わかり…ませ…ん」
家康中将から東宮との閨(ねや)の事を聞かれ、答えられず益々顔を赤くする舞。
その姿を見て、家康中将は、益々舞が可愛くて仕方ない。
「もう、貴女とは会えないのかな」
寂しそうに聞く家康中将の問いに、舞も顔を曇らせる。
「…貴女と俺の扇を交換しよう」
外が徐々に明るくなり、二人の逢瀬が終わる刻限がやってくる。
家康中将は自分の扇を舞に渡し、舞の扇は家康中将が持つ。
「貴女は俺のもの。東宮に抱かれても、貴女の心は俺へ向いている、でしょ?」
舞の扇を片手で持ち、くるくると手首を支点にして扇を回しつつ、自信たっぷりに家康中将は言う。
「な、何故、ですの…っ」
あまりの自信たっぷりな姿に、舞のほうが慌てる。