戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第9章 朧月夜の巻―家康中将-<R18>
「い、や、ですわ」
権門の姫らしからぬ態度の舞に、家康中将はむしろ肌の粟立ちを覚える。
「いったい、何を…!」
舞が自分の唇をぺろりと舐め、それが妖しく濡れる。
舞の手が、まず、家康中将の身に着けている飾太刀(かざたち)を外す。
「おい、何をする!」
次に家康中将の石帯(せきたい)をそっと外す。
「この紐を解け!」
家康中将は身をよじって舞から逃れようとするが、手の動きを封じられている為、かなり動きにくい。
舞のほっそりした小さな手が、一枚ずつ家康中将の身に着けているものを脱がせていく。
同時に4人いた女房らしき者達は、その場所から静かに去って行った。
舞の白い手の先端、爪だけが美しい桃色に染まっているのが、婀娜(あだ)な雰囲気を生む。
舞の大きな黒い瞳はらんらんと輝き、何かを期待しているのをありありと感じ取らせた。
「おい…!脱がせるな、何をする!」
舞は微笑んで言う。
「遊んでいただくんですもの、お脱ぎくださらないと」
家康中将はやめろ、脱がせるな、と抵抗し続ける。