戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第9章 朧月夜の巻―家康中将-<R18>
「ごめんあそばせ」
するり、と舞は自分の下袴の紐をほどく。
驚いている家康中将の前で、ほどいた紐を両手で持ち、ふふふ、と笑う。
そして紐を持ったまま、ぱんぱんと手を叩く。
「たれぞある」
「!」
家康中将が驚くだけの状況でいる中、細殿の隅から女房らしきおんなたちが4人出てきて、『失礼仕ります』と、二人ずつで家康中将の両腕を押さえこむ。
所詮おんなのちからなので、家康中将なら力を入れて動かせば、この状況から逃げ出せるのだが、いかんせん相手がおとこでないので、無下に出来ない。
結局黙っているしか無かった。
舞は失礼、と言って家康中将の片手首をその紐でぐるぐると縛り、その紐の反対側の端を柱に巻き付ける。
「あ、おい、何をする」
逃れようとして、持っていた笏(しゃく)がカタンと音を立てて落ちる。
次に一人の女房の下袴の紐をほどき、その紐で家康中将の反対側の手首を縛り、同様に同じ柱にぐるぐると巻き付けた。
同じ柱に両手を紐でつながれた家康中将は、舞に言う。
「これを解くんだ、舞姫」