戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第9章 朧月夜の巻―家康中将-<R18>
おんなは打って変わって、妖艶な笑みを浮かべる。
がらりと態度を変えたおんなは、家康中将に反対に迫る。
「私、退屈でね、東宮様へ入内する事が決まっていて、その前に遊んでおきたかったのよ。
でも遊ぶにしたって、その辺のおとこじゃ嫌だし…家康中将様なら適任だわ!」
東宮に入内する事が決まっているのは、家康中将の知る限りでは、ただ一人。
右大臣の六の君。弘徽殿の女御の一番下の妹君だ。
「すると、あんたは右大臣の六の君?」
「はい、舞姫とみなは申しますわ」
舞姫と呼ばれるおんなはこくりとうなずく。
まずいおんなに手を出すところだった。
どうやってこのおんなを、何もせず、弘徽殿の母屋に返すか。
そんな事を家康中将は考える。
だが。
おんなのほうが大胆だった。
おんなの瞳がキラリと光る。
「家康様、私と遊んでいただきますわ」
家康中将は、蜘蛛の糸に囚われる蝶のように、おんなの瞳に絡めとられる。
「…どういう事?俺はあんたと遊ぶつもりはないよ」
つっけんどんに家康中将が答えるのは、早くここから去りたいが為。