戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第1章 夕顔の巻-政宗中将-<R18>
座の支度が出来るのを待って、舞を抱えて院の中へ踏み入れる。
夕暮に紐とく花の顔容(かおばせ)は 寄りてこそ見んその縁なれ
「以前、俺を〈貴方は政宗中将ですか?〉と聞いてきたよな?どうだ、俺はかっこいいだろ?」
顔をはっきり見せてそう問うと、舞は横目でちらりと政宗中将を見ながら言う。
光ありとほのぼの見つる夕顔は 黄昏刻(たそがれどき)の空目なりけり
明るいところで見たら、たいしたお姿ではないのね、と言われ、むしろ政宗中将は、すっかりうちとけた様子の舞の様子に嬉しくなる。
舞なら、俺を俺として愛してくれるかもしれない。
そんな考えにからだも疼き出す。
政宗中将は、その院の留守役が急いで準備した部屋へ、舞を抱き上げたまま入り、そっと舞を横たえ、下袴の紐と解く。
「あっ…待って…」
何故か止める舞に政宗中将は深い笑みを浮かべ、口付けで動作を塞ぐ。
「駄目だ、止まらねぇな。ほら、俺にいつも以上に抱かれて、声を上げろ」
「でも…誰に…見られているような…」
「ここは誰も居ない。留守役しか普段居ない院だ。誰も見てやしないさ」
政宗中将は舞の怖がる様子が可愛くて、強く抱き締める。
「俺が居るから大丈夫だ。俺に全てを預けて、俺を信じろ」
俺の言葉に、舞は不安げな様子を一蹴させて、柔らかな笑顔をようやく見せた。