戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第53章 貴方と私を繋ぐもの ―佐助ノ君&八ノ宮大君―<R18>
互いを求める行為が終わり、二人は抱き合ったまま横たわる。
「…きみを初めて宇治で見てから、ずっと手に入れたかった。だから俺のものになった時は本当に嬉しかったな…」
佐助の手が長い舞の黒髪を撫でる。
打乱箱に毛先は収めていたのだが、豊かな髪は行為ですっかり乱れていたのだ。
「初めて私を垣間見たのはいつだったの?」
舞が探る表情で佐助を見るので、佐助は小さく笑みを浮かべる。
「そうやって俺からいろいろな事を探ろうとするんだな。俺が初めてきみを見たのは、月の夜、中君と合奏をされていた時だよ」
「では中君も見たって事なのね?」
益々探る眼差しを送る舞に、佐助は首を左右に振る。
「しっかり見た、と言いたいところなのだけどね、俺のいたところから中君は斜め後ろを向いていらしたので、俺からは後ろ姿しか見えなかったんだ。俺が垣間見たのは舞さん、きみだけだし、俺はその時からきみの面影が脳裏に焼き付いて、きみが欲しくて欲しくてならなかったんだ。だから他の女人には目もくれず、舞さんにひたすら文を贈っていたんだ」
「そこまでは…知らなかったわ…」
佐助の思った以上に激しい愛に舞は驚くものの、佐助の性格から複数の女人を愛するのではなく自分一人を愛してくれるのも理解しているため、むしろ舞は佐助の胸元に頭を擦り寄せた。
「こんなに私は愛されているのね…」
「あぁ…俺は舞さん以外に女人を迎える事はしないよ」と言って、佐助は舞の頭上に軽く口付けた。