戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第50章 恋は秘密が似合う ―家康中将&朧月夜―<R18>
「来てくださったのね」
檜扇で顔を隠しながら舞は嬉しそうに言う。
「あんたに会うために、俺が危険を冒していること、わかっているよね」
家康もいつもの冷静な口調が少しうわずっている程、舞に会えるのが楽しみだったらしかった。
御帳台の奥の幾重の几帳に隠れて舞は居るものの、その熱は伝わるようで御帳台の外にいる家康にすら、舞が待っているのがわかるくらいの体温を感じるのだった。
「今日は、家康様にお目にかかれるとは思っておりませんでしたの。だから化粧も衣装もひどくて恥ずかしいですわ…」
小さくなる声音に家康は近付くと几帳をからげ、さっと中へ入る。
「…家康様…」
家康は几帳の奥に座る舞の姿を捕らえると、すぐ抱き締めてそめそめと語る。
「美しいあんたなら、どんな恰好でも俺は気にならない」
噛んで含めるように言いながら、家康の手は舞の下袴の紐を解いている。
「あぁ…綺麗だ…」
紐を解くと全ての衣装が脱げるので、舞の白い肌がほのかな灯りの中で輝く。
「…舞…」
名前を呼ばれ舞の背がぞくぞくとし、熱い家康の唇が自分の首筋に這うとつい吐息を漏らした。
「…んっ…いえ、やす…さ、まぁ…」