戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第49章 天女と淫靡な愛をする ―信玄源氏&女三ノ宮―<R18>
すると信玄ではなく別な声が囁いた。
「違います、舞様。信玄様は宴にいらっしゃるので、その間にお目にかかりに参りました」
眠気のかかった状態ながらも何度も聞いた声で、舞は誰が来たのか気付く。
「貴方…衛門の督…宴を抜け出していらしたの…?」
「はい、今のうちにと思いまして」
しれしれと言いながら舞のからだに触れてくる衛門の督に、最初の頃はびくびくしていたのにずいぶん大胆になったものだな、と舞は内心苦笑する。
「ん…ぁん…」
そうは思いながらも既に存分に自分の事を知られている衛門の督の手が、弱いところを撫でてきて、つい艶な声が漏れてしまう。
「あぁ…いつもながら良い声を聞かせてくださる…私は舞様の閨の声が好きなのです…こんな甘い声で啼かれる…聞くたびにその声に自分の欲を抑えられなくなります…」
途端、低い艶な別な声がする。
「全くきみたちの縁は特別なものだとわかってはいるけど…今日は俺の誕生日だから正室は俺に譲ってもらえないもんかねぇ」
「…信玄様…!」
舞と衛門の督は宴の主役が表れたので驚く。
「えらい驚きようだな。宴は主役がいなくても勝手に出席者でやっているもんだよ。俺は疲れたから後は皆さんで好きにどうぞと言って出てきたさ」
誕生日の宴で主役がさっさと出てくるとは思っていなかった舞と衛門の督は、二人きりになれなくなり、特に衛門の督はあからさまにがっかりした表情を見せた。