第49章 天女と淫靡な愛をする　―信玄源氏＆女三ノ宮―＜R18＞

「ふふ…衛門の督がそう言ってくれて嬉しいわ。私を慕ってくれているって事だもの。信玄様の事はおとうさまが決めた事だから仕方ないけれど、信玄様も私たちの事は認めてくださっているでしょ。だからそのお礼はしたいと思っているの。衛門の督もだから今は、浮気うんぬんは置いておいて、何か良い案をくれないかしら？」

そう頼まれると断れない衛門の督は、やはり思案顔になった後、先程と同じ事を口にする。

「やはり…舞様ご本人様が贈り物になられるのが良いでしょう。たとえ朱雀帝がお決めになられたご結婚とはいえ、舞様は信玄様のご正室でいらっしゃる。信玄様にもそれなりに愛人がいられるとはいえ、実のおにいさまの娘である舞様は特別な存在…その舞様の今が盛りの姿を差し上げるのがよろしいかと存じます」

「ふぅん、わかったわ。衛門の督がそれだけ言うなら、私自身が特別な存在と認識を改めましょ。当日は信玄様をめいっぱい翻弄してやりましょ」

ぱちりと扇を閉じて舞は衛門の督の意見を取り入れる事にする。





そして信玄の誕生日前日。

「惟光殿、支度は出来ておりますか？」

舞は信玄の側近である惟光を呼び出し、女房を通して誕生日の宴の準備がどうなっているのか確認する。

「はい、全てにおいて言われたものの準備は出来ております」

御簾から離れたところで惟光が平伏して答えを伝えると、「それでは明日よろしく頼みますよ」と舞が女房を通して惟光に言い、惟光はそれを聞いて更に平伏した。



夜になって信玄が舞の許を訪れる。

「俺の誕生日を祝ってくれるんだって、舞？」

「ええ。私は信玄様の正室ですもの。お誕生日のお祝いを催すのは当然ですわ」

寝る前の白い下着姿の衣装の中で、なよやかに微笑む舞に信玄は目を瞠った。