戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第43章 再会する愛 ―家康蔵人&姫―<R18>
この声は俺を助けたあの声だ。
俺はぴたりと足を止め、きょろきょろと周囲を見回した。
すると俺が声に気が付いた事に、気が付いたのか、一か所の御簾がふわりと動き、扇が差し出されて、俺をこいこいと呼んでいた。
あの声の持ち主なら礼を言わないとならないな。
俺は御簾の下から差し出された扇のところから、御簾を巻き上げ、中へ入って行った。
そこに座っていたのは、若い、新参と思しき美しい娘だった。
「…あんた、初めて見た。名前は?」
「家康蔵人様でしょう?私は舞と申します」
先程の扇を開き、口元を隠しながらほわんと笑顔を俺に見せる。
なに、可愛い。
俺の心がわしづかみにされた。
俺はずい、と舞に近寄り、まじまじと顔を見た。
「…あ、あの…?」
困惑する舞に俺は気付き、少し離れたが、それでもすぐ手の届く範囲に舞はいる。
「あんた、新参の女房?一体なにもの?」
俺は舞に問うと、舞は曖昧な笑みを浮かべた。