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戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉

第42章 戦国源氏のくりすます ―安土城戦国源氏―


秀吉はその衣装を着た家康を思い浮かべ、一人笑いをこらえるのに必死だった。

それにしても贈り物の選定はなかなか骨が折れる。

何故か、何かあると、お付きの女房達は、いつも秀吉に泣きついてくるのだ。

「秀吉少将様!どうしてこちらの女御様には、このようなものしか届きませぬの?」

家臣からの贈り物にケチをつけてくるのを、内心『そりゃ女御様にちからが無いからな』と思いつつ、表面は人たらしな笑顔で揉め事を捌くのだった。

中宮は別格としても、女御がたの贈り物に差をつけると、絶対女房達から文句が来るのがわかっている。

秀吉はああ、大変だな、と思いながら書庫に入り、帝の宝物を記した巻き物を見ながら、使えそうな宝物を、手持ちの紙にさらさらと記して行った。

―異国の透き通る素材の器なぞ、女人がたは喜ばないだろうか。

―大層美しく染め上がった反物はどうだろうか。

―唐から渡ってきた硯と唐の紙一式はどうだろうか。

―異国からなら、こちらの香木はどうだろうか。

あれこれ使えそうなものを記していき、気がついたら時がだいぶ過ぎていた。

秀吉はうーん、と伸びをし、今日はここまでにするか、と書庫を片付け後にした。

自分の屋敷に戻ろうとすると、後ろからパチンと扇を開け閉めする音がする。

「?」

振り向くと、光秀中将が扇で口元を隠しながら、すぐ近くの柱に寄りかかって立っていた。

「なんだ、光秀、どうした?」
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