戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第40章 陽を歩く、闇を揺蕩う ―光秀中将&秀吉少将―
「そうだな…ではこれで確認は出来ぬか?」
思い出した中から、これは、と思う方法を伝える。
「成程。それでは早速それで調べよう。助かった、ありがとな、光秀中将」
人たらしの異名を持つ人懐こい笑顔を見せて、秀吉は足早に去る。
あの笑顔は何回見ても良い。
陽の中を歩く者が持つ笑顔だと俺は思う。
「光秀中将」
去ったはずの秀吉が、苦い顔をして戻ってきた。
「どうした?」
「忘れてた。おまえ、また帝からやっかいな案件、請け負ってるだろう?」
「ほう、どこでそれを知ったのやら」
地獄耳か、秀吉のやつめんどくさいな、と思いながら、俺は肩をすくめる。
「全く、何度言ったらわかるんだ?おまえ一人で陰を歩くなと言っただろう?俺も手伝わせろ。一人より二人のほうが早く終えるだろう?」
秀吉は大きくため息をつきながら、俺の事はわかってると言わんばかりな態度を取る。
やっかいな案件だからこそ、俺一人で片付けるのが良いのだ。
そう言っているのに、秀吉は俺のちからになりたいと言ってくる。
そのおせっかい、嬉しいが、うっとおしい時もある。
そうしたら、こうして諦めさせてやろう。