戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第37章 浮舟の巻―信長ノ宮と秀吉ノ君-<R18>
信長が物忌みとしてこっそり都を離れられるのは二日。
都へ戻らなくてはならない日がやって来て、信長は仕方なく舞を宇治の邸へ戻す。
「貴様を匿ってやるから、俺一人に愛されろ」
信長に言われるものの、舞は何も答えられない。
答えないまま宇治の邸に戻り、信長も都に戻るがそのまま寝込み病にかかられた、と帝や中宮をはじめとして見舞いがたくさん押し掛けるものの、誰にも会わずに過ごしていた。
秀吉も見舞いに来、唯一仲の良い秀吉とは会うが、寝込んでいる身からしても秀吉の姿は美しく凛々しく堂々として、非の打ちどころがないおとこだと改めて思うのだった。
二人で過ごした事を思い出し、舞は困惑している。
信長の自由奔放な姿と常に降り注ぐ愛の言葉、秀吉から自分に変えなさい、と強引なところも舞は惹かれるのだ。
「秀吉はこんなこと、しないだろう?」
信長の愛撫を思い出し、からだが疼く。
「俺が貴様をどれだけ愛しているかわかるだろう?」
秀吉には無い甘い誘惑を信長は放つ。
私は誰を愛してる?私は誰を選べば良い?
選べない、選ぶ事なぞ出来ない、だって秀吉様にやがて都に連れて行かれるのだから。
舞はそれでも内心叫ぶ。
おんなの心を掴むのはあのかたがお上手なの、だから私は惹かれてはならないかたに惹かれてしまう…心もからだも私には勿体ない程の身分の高い、あのかたに惹かれてゆくの…