戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第5章 花散里の巻―三成中将-<改訂>
私はどきどきしながらやっとの思いでお答えする。
「は、はい…細かい事をするのが好きなんです…」
三成中将様は扇をぱらりと開いて、口元を隠すとくすりと微笑んで教えてくださった。
「それはうらやましいですね。私は細かい事がとても苦手なんです」
「まぁ…でも三成中将様なら、何もしなくてもこのような事は周りのかたがなさいますでしょう?」
私は驚いて、でも援護するように言う。
「そうなんですけどね。私は何でも出来ると思われてしまっていて実は困っているのですよ。
本当は苦手なものが、たくさんあるのですけれどね」
「まぁ…!ふふっ」
三成中将様の前ではしたなくも笑ってしまった私に、三成中将様は紫の瞳を細めて囁かれた。
「貴女は、確か麗景殿の女御様の妹ぎみでしたよね?」
「は、はい…三番目の妹です」
「三の君…お名前は?」
「は、はい…舞と申します。」
「舞姫ですね。貴女とお話しすると、気取らなくて穏やかな心地がされます。
また、私と会ってくださいますか?」
三成中将様からの嬉しいお言葉に、すっかり舞い上がってしまう。
「はい…!お待ちしております!」
くすくす笑って三成中将様は去って行った。
「それでは、約束ですよ?」