戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第35章 とりかえばやものがたり ― 番外編 ―<R18>
左大臣の邸に入り込んでくるなんて、その根性は買うけれど、姫がオトコだというのがわかったら困るからな、俺は可愛らしく叫んで気絶する技を身に着けたんだ。
ま、もし帝が忍んできたら、この叫び声で退治するしかないか。
そして俺は大層な支度を整え、女一の宮つまり東宮へ出仕した。
東宮は俺より年下で、おっとりといかにも世間知らずの姫宮育ち、俺には妹が出来たようで可愛く思えた。
東宮も姉が出来たように思ってくれたようで、俺たちはすぐ姉妹のように仲良くなる。
一緒に文字を習ったり、絵を描いたり、琴をひいたり、それまで一人でしていた事がいかにつまらなかったか、俺は不思議と東宮と一緒だと楽しく思えた。
東宮の仰せにより、御帳台に枕を並べて、就寝前二人で話すのも楽しい。
小さい頃から一人で寝るのが当たり前だったから、人と話して休むなんて初めてのせいか面白くてしようがない。
二人で話しをしているうちにふと静かになり見ると、東宮は話し途中で眠ってしまい、すぅすぅと無防備に寝息をたてているのも可愛い。
ふと、思う。
この柔らかそうな肌に触れたい。
このかわいらしい東宮の違う顔、違う声が知りたい。
このからだを全て味わいたい。
オトコとして、東宮を、愛したい。
いやらしい思いが俺の中に沸き上がった瞬間だった。
なんて俺は恥ずかしい人間なんだろう、と俺は己を呪った。