戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第35章 とりかえばやものがたり ― 番外編 ―<R18>
「そんなに噂になってんのか?たかが尚侍になるくらいでさ」
俺が聞くと、舞は身を乗り出して言う。
「何言ってるの。尚侍だっていつ帝の御手がつくかわかんないんだから。だから女御がたにしてみれば、幸村は来て欲しくない相手なの。更に殿方からは、憧れていた美貌の姫が入内したら、自分には手の届かない相手になってしまうと思っていたのが、女房として上がるならまだ間に合うって、更に文がすごい事になってるのよ?」
文?そんなもの一通も届いてないけれど?
俺が文の事を知らずに不思議そうな顔をすると、舞が教えてくれる。
「もう、本当に気付いてないのね。文は大量に届いているの。でも父上の命令で、届いたものは女房が全て受け取って、父上と幸村の母上で全部確認して、煮炊きの釜にくべてるらしいわよ」
煮炊きの釜にくべられてるのか、送ってくれたやつ気の毒だな。
そう俺が思い、しかし舞の発言に気になる部分を指摘する。
「なぁ、今さっき、尚侍でも帝の御手がつくって言ったよなぁ?」
「当然でしょ、女房だから御手がつかないなんて無いわよ。ある帝なんて、女御がた以外にも美しい女房たちを見掛けると、片端から手をつけるかたがいらしたらしいよ」
うげぇ、なんつうスケコマシ。
俺がうんざりした顔を見せると、舞はにっこりする。
「まぁでも幸村なら、殿方を見たら得意の気絶をすれば良いんだもんね。大声で叫んでさ」
そうそう、俺の得意技、『いやあああああ』と叫んで気絶する振りをする。
これで女房をたぶらかして、邸に入り込んできたオトコたちは追っ払ってきたんだ。