戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第35章 とりかえばやものがたり ― 番外編 ―<R18>
「俺が入内!?」
俺、つまり真田幸村なのだが、俺が何故か入内する事になってしまった。
と言っても俺はオトコとして入内するのではなく、オンナとして、なのだ。
どういう事かって?
父上が左大臣の俺には腹違いの妹がいて、彼女の名前は舞。
美しいと評判の母上に似て小さい頃から大層な美貌の持ち主なのだが、何故か全く部屋でじっとしておらず、気が付くと外へ出てオトコ童たちと走り回って遊んでいるような、破天荒な性質をもっている。
そして俺は反対に外で遊ぶのは苦手ときた。
室内で絵巻物を見たり、琴を掻き鳴らしたりするのが好きで、そしてとにかく自分で言うのも何だけれど人が苦手で、知らない人を見るとすぐ気を失う程の弱々しいところがあるんだ。
嘘つけって?俺だって好きで嘘をついている訳じゃない。
こうでも言っておかないと、名門の家に産まれた息子と娘、とんでもない事になるのが目に見えているから、こうでも言って自衛しないとならないんだ。
さて、舞は幸村と名乗り、俺の代わりとして元服して出仕するまでになり、俺は反対に舞と名乗り、代わりに裳着をして今は娘として邸の奥深くで暮らしている。
産まれがばらばらな俺と舞はお互いを演じる事でうまくいっていた。
ところが俺たちが左大臣の家の子だったから、それだけで済まなくなってしまう。
何故か会った事もない帝から、妹の舞つまり代わりの俺に入内要請がきたんだ。