戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第33章 八ノ宮中君の巻―家康ノ宮と三成ノ君-<R18>
家康様はこの時から、私のところへのお越しを数日置きになさる。
毎日お越しくださっていたのが、一日置き、二日置き、と。
きっと右大臣様の姫様とのご結婚後、私のところへ今迄通りにお越しになれないのを私にわからせるために、こうなさっているのだと思ってる。
都に来てから一人寝をする事もなかったから、夜が寂しくてならないの。
おねえさまのところへ伺いたいけれど、おねえさまには三成様がいらしているから、私が伺う訳にはならない。
そんな折、私はある時から具合が悪くなり、食を摂るのが難しくなる。
家康様恋しさに、自分はこのまま死ぬのね、と思っていたけれど、女房たちは妙にざわついているのが煩わしい。
そこへおねえさまがいらしてくださる。
「舞さん、具合はいかが?」
「おねえさま…私の最期に会いにいらしてくださったのね…」
私がそう言うと、おねえさまは驚いた表情をして、その後笑われる。
「いやだ、何を言うの、舞さん。女房から聞きましたよ、懐妊なさったと。おからだ大切になさってね。匂ノ宮様にはもうお伝えしたの?」
「…え…懐妊って…私が…?家康様の…お子が…出来た…と…?」
反対に私のほうが驚き、聞き直す。
「あら、何も聞いてないの?女房たちが浮かれて本人に言わないなんておかしいわね。舞さん、貴女は家康様のお子を懐妊なさっているのよ。具合が悪いのはそのせい。だから落ち着いて、本当に具合が悪くならないように、おからだ大切になさって。もう貴女おひとりのからだではないのだから、ね?」