戦国源氏物語-イケメン戦国と源氏物語の融合-〈改訂中〉
第33章 八ノ宮中君の巻―家康ノ宮と三成ノ君-<R18>
噂として耳に入るのは、家康様と右大臣様の六の君様とのご結婚。
嘘だと思いたいけれど、おねえさまが三成様から聞いたところでは、将来家康様が帝になられる可能性があって、権力者のかたの御娘との結婚は必然との事。
家康様は何もおっしゃられず、私の立場では何も聞く事は出来ない。
でも、ある時、とうとう家康様は私に話されたの。
「耳に入っているかもしれないが…右大臣の姫との結婚話しが進んでいる」
「…お噂は少し伺っておりました」
家康様は真剣な表情で私をご覧になる。
「俺は将来帝になるかもしれない立場にいる。だからこそ右大臣の姫との結婚も必要となってくる。舞を捨てる訳ではなく、俺にとって一番大切なのは舞だ。だが俺の立場をわかって欲しい」
私は無理に笑顔を作って言う。
「存じております。家康様のお立場を考えましたら、右大臣様との縁をお持ちになるのは、必要でいらっしゃるのでしょう。ですからそのお話しについては理解しております」
「舞…俺が一番愛しているのはあんただから。それはわかってよね」
「わかってます…家康様」
家康様は私を抱き締めてくださる。
わかっているわ、頭では…でも、やっぱりわかりたくない自分もいるの…家康様を独り占めしたい自分がいるんだもの…でもそんな事を言って家康様を困らせてはいけないし、それでお越しが無くなったら悲しいもの…